りんご並木のエコハウス

平成21年度 飯田市21世紀環境共生型モデル住宅プロポーザル一位

平成23年度 JIA日本建築家協会『環境建築賞』優秀賞

 

(飯田市)21世紀環境共生型モデル住宅整備事業『リンゴ並木のエコハウス』
新 井 建 築 工 房 + 設 計 同 人 NEXT ( 代 表 新 井 優 )

【設計主旨】

豊かな地域の自然エネルギーを取り込み、 住みよい環境を創り出す楽しみ

敷地は昭和22年の大火で消失した中心市街地の復興まちづくりの原点“りんご並木”に 面する南北27m、東西 8 m弱の細長く、さらに南側には 3 階建てのビルが隣接する自然エ ネルギー利用には難しい土地。ここを克服出来れば何処でもエコハウスは実現します。 飯田市は『環境文化都市宣言』を行い、平成21年 1 月には環境モデル都市に選定されま した。中期目標として2030年までに家庭部門の CO2 排出量を2005年比較40~50%削減を掲 げ、多様な主体の協働による太陽や森のエネルギー利用等の具体的行動を始めています。 それらの考え方を『りんご並木のエコハウス』として実際の住宅として実現しました。 内陸性盆地気候の当地域は、冬場の晴天率は高いが寒暖差の激しい気候。実施設計完了 時の Q 値1,65、 C 値 2,0 の断熱気密性能に加え、熱の時間的移動としての蓄熱方法を工夫 し、夏と冬・昼と夜・在宅と不在時の自然エネルギー利用のモードの切り替えを人が手を かけ操作することによって、「住み良い環境を自分で考え創り出す事」を念頭に置いてい ます。これらの操作を忘れると室内環境に影響する事も“気付き”のきっかけづくりとし てのエコハウスの役割です。 準防火地域ですが杉板・塗り壁の仕上げとした木造らしい外観はリンゴ並木に新たな彩り を加えました。親しみやすい大きさに分節された『りんご並木のエコハウス』は目的地で はなく、まちなかの気楽に立ち寄れる住まいとして多くの市民に愛され環境共生のメッセ ージを伝え続ける役割を担っています。